ソルクシーズが提供する高齢者見守り支援サービス「いまイルモ」は、独り暮らしの父母や親族の方などの安否を気遣うご家族のために、自宅に設置されたさまざまなセンサーを通じて、在室や温度・湿度・照度などを確認できるツールとして開発されました。
カメラや音声などを使わないため、プライバシーを保護しながら日々の生活のデータを把握することができ、見守られる側が特別な操作を必要としないのも大きなメリットです。「スマホで手軽にチェックできる」「異変があったらすぐにわかる」「監視されている感覚がない」「導入費用が手頃」といった運用面も好評で、現在も多くのご家族が継続的に利用しています。
近年は、初期費用の安さや高機能センサーに着目した病院や介護施設でも導入されており、人の動きを感知する「モーションセンサー」や「バイタルセンサー」「ドアセンサー」なども使えるようになっています。
今回、紹介するのは、本来の高齢者見守りとは異なる「駐輪場管理事務所」でのユニークな活用事例です。「管理事務所のスタッフの業務管理に貢献してくれている」というのは、高崎市シルバー人材センターの須藤さん。「いまイルモ」は、どのように活用されているのでしょうか?
「早朝7時の開所時間におけるスタッフの出勤確認が大変だった」
ー「いまイルモ」の導入前は、どのような課題を抱えていたのですか?
須藤さん 高崎市シルバー人材センターは、市内の主要駅周辺にある8ヵ所の駐輪場管理を請け負っており、高齢者を中心としたスタッフが交代で管理業務を行っています。駐輪場は始業時間が早く、朝の7時には必ず開所し、利用者のみなさまに対応する必要があります。私たちがずっと抱えていた課題は、開所時間におけるスタッフの出勤確認でした 。
ー出勤確認が難しかったのはなぜでしょうか?
須藤さん 駐輪場管理スタッフは、シルバー人材センターに登録した高齢者の方々です。みなさん、しっかり働いてくれているのですが、急な体調不良や交通機関の遅延などで、ごく稀に予定時刻に出勤できないケースが発生します。
以前に、7時になっても事務所に誰もおらず、駐輪場管理を統括する事務局に利用者から問い合わせのお電話があって、そこで初めてスタッフの不在が発覚するということがありました。市の費用で運営している公共施設なので、こういう状況はゼロにしなければなりませんでした。
ー事務局からの電話確認は難しかったのでしょうか?
須藤さん そうですね。管理事務所が開く7時に、8ヵ所の駐輪場全てに事務局から電話をかけて確認するのは現実的ではありません。対応可能な時間に出勤しているのを把握できなければならなかったのですが、いいアイデアが見つかりませんでした。タイムカードは、不在がわかるのが7時を過ぎてからになってしまうので、間に合わないんです。
「不在時に通知してくれるツールで、費用と導入しやすさも大きなメリット」
ー高齢者見守りサービスである「いまイルモ」を、なぜ活用しようと考えたのですか?
須藤さん 課題解決のために、さまざまなサービスを検討しました。最初に考えたのは、「人がオフィスに入ったら連絡が来る」ようなものだったのですが、警備会社などのサービスは費用が合いませんでした。
費用や導入の手間を考えると、これといったサービスがなくて、リサーチしては断念する日々が続いていました。そんななかで3年ぐらい前に、担当者が「反応がないと連絡が来るサービスがある」といってきました。それが、「いまイルモ」だったんです。
出勤を確認できるサービスを検討していたので、「不在だったら連絡がくる」という発想は斬新でした。最初の印象は「ちっさ!」でしたね(笑)。管理事務所は狭いオフィスが多いので、コンパクトな親機はありがたかったです。設定もしてもらえると聞いて、「コンセントを入れたら始められる」と思いました。
ー最も惹かれたのは、どんな機能ですか?
須藤さん いちばんよかったのは、不在のときだけ通知が来ることです。駐輪場管理事務所は、朝7時に必ずスタッフがひとりで開所し、事務所で作業を開始します。その手前でスタッフの在室をセンサーが感知できなければ、スマホに連絡が来るという仕組みになっています。
忙しい朝に8件の出勤通知が来るとなると、見落とす可能性がありますが、不在時だけならすぐに気づけます。大がかりなシステムと比べると、初期費用も月額費用も抑えられるので、すぐに始めようと思いました。
「スタッフの不在が確実にわかるので、対応のスピードが上がりました」
ー実際に「いまイルモ」を導入して、どのような効果を実感していますか?
須藤さん 入れてよかったですね。最も避けたかった「利用者の問い合わせで初めてスタッフの不在を知る」という事態がゼロになりました。7時前の設定時刻に在室が検知されなければ、すぐに担当者のスマホに通知が届きます。これによって、事務局の社員が現地に足を運んだり、代行スタッフの手配を行ったりすることができるようになりました。
ー対応のスピードが変わったということでしょうか。
須藤さん はい。以前は確認に手間取っていたのですが、今は通知が来なければ「定刻通りに出勤した」ことがわかり、通知があれば「すぐに対応が必要」と判断できます。これによって、対応のスピードが上がりました。システムのトラブルも誤作動もなく、信頼できるのも「いまイルモ」を導入してよかったと思える理由のひとつです。
ースタッフのみなさんの反応はいかがでした?
須藤さん 実は、スタッフの不在が発生する最大の理由は遅刻ではなく、「失念」が多かったんです。シフト制で働くなかで、「明日病院に行きたいから、代わりに出てもらえる?」「いいよ」といったやりとりがときどきあって、出勤日が変わったのに忘れてしまったというようなケースがほとんどです。
実は導入する際に、「監視システムが入った」という噂が流れて、「いやいや、出勤がなかったときの対応のためです」と説明しました。それでも何となく全体にピリッとした空気が流れて、一時的に失念自体が減りました。「いまイルモ」は小さいので、設置されていても気にならず、スタッフのみなさんはすっかり慣れたみたいです。
「コミュニケーション機能がより便利になったら、なおよしですね」
ーあらためて「いまイルモ」をどう評価しているかを聞かせていただけますか?
須藤さん 今は通知を見たら画面を閉じて、電話やメールという流れになっているのですが、通知画面から直接コミュニケーションを取れるようになったら、対応がよりスムーズになります。
高崎市シルバー人材センターは、1800人の高齢者の方にご登録いただいており、企業や自治体、公共施設などのさまざまな仕事を紹介しています。高崎市内に拠点を持つ大企業や地元の中小企業に高齢者の採用を提案したり、働き始めた高齢者の方をサポートしたりするなど、社員は幅広い仕事に対応しているので、駐輪場管理の業務効率化を実現した「いまイルモ」には、とても助けられています。
私たちがやりたかったことをすべて満たしてくれているサービスなので、管理する駐輪場が増えたら、最初から設置したいと考えています。
| 法人名 | 公益社団法人高崎市シルバー人材センター |
|---|---|
| 住所 | 群馬県高崎市江木町1527-1 |
| 事業内容 | 高齢者向けの職業紹介、公共施設の管理・運営 |
| URL | https://webc.sjc.ne.jp/takasaki/index |